問題社員タイプ④ 病気型(特にメンタル型・mental health problem )
タイプ④ 病気型(特にメンタル型・mental health problem )
病気型(特にメンタル型)とはどんなタイプか。
①能力不足型や③コミュニケーション型(協調性不足)の類型と比較した場合、病気型は、病気が要因となっている債務不履行(不完全履行)であり、待遇・職務とのミスマッチ、協調性不足、勤怠不良など複合することも多い類型です。また、他類型に比べて、「医療」「病気要因」「期限有」「復職判断」といった「複雑」で「窮屈」な対応が必要となることが多い類型です。
昨今、このタイプの問題社員(特にうつ病を患った従業員)についての相談が増えてきました。相談の一例としては、
・休職を命じようと思うが、本人は、「出社する」と言ってきかない。
・休職期間中に本人から連絡があり、「もう出勤できる」と言ってきた。診断書の提出もないため、出社を拒否したが、「不当な出社拒否で受領拒絶」として賃金請求された
・休職期間の満期が近くなってきたが、本人から主治医の診断書が提出され「復帰可能」とされているが、産業医の意見は「復帰不可」。どちらの判断によるべきか
・「テレワークであれば復帰可能」と言っているが、会社としては認めたくない。
これらのケースでは、トラブルを避けるために慎重な対処が求められる一方で、会社として退職を含む毅然とした対応をする必要があります。
◆企業の対応
病気型(メンタル型)は、休職をして問題となるケースが多いです。この「休職」とは、「労務従事が不能または不適当な場合に、使用者がその従業員に対し労働契約関係そのものは維持させながら労務への従事を免除または禁止すること」であり、つまりは、その社員に仕事に従事させることが不能または不適当な事由が生じた場合に、会社側がその社員に対し、雇用契約関係そのものは維持させながら、仕事への従事を免除すること、または禁止することを言います。類似の概念として、「自宅待機」がありますが、自宅待機自体が労働者の業務であるとされ、原則的に賃金が発生いたします。
休職で実際何が一番問題になるかというと、特に休職(入口)の部分と復職(出口)の部分です。入口の部分では、解雇猶予措置と言いつつ、とくにメンタルヘルスの場合、病気・治癒、という医学的ー使用者が左右しにくい、アクセスしにくい、情報を取りにくい、可視化しにくく評価が割れやすい等、波のある要素があり、使用者としては、思いのほか、自由度・イニシアティブを取りにくく、予測しにくい制度ともいえます。
また、退職勧奨も休職に入ってしまうと制約がかかるため、安易な発動は控えるべきです。
解雇・退職勧奨には専門的な知識が必要です。まずは弁護士にご相談ください。
当事務所は、使用者側(経営者側)専門の法律事務所として、これまでに数多くの労働問題を解決した実績を持つ法律事務所です。労務問題に関する講演も多数行い、問題社員対応、残業代請求、団体交渉、労働組合対策、ハラスメントなど企業の労務問題に広く対応しております。
初回相談料は無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。