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役員退任

Q.当社では、子会社の役員を命じている人物に不信があり、退任してもらいたいのですが、どのような方法・手段がありますか?

A .回答

1 「取締役自体」の退任と「代表取締役(代表権)」の喪失

代表取締役の退任という場合、「取締役自体」の退任と、「代表取締役(代表権)」の喪失とを区別して整理、手続していく必要があります。

 

2 取締役の退任事由について

まず、取締役の退任事由には、大きくは、「辞任(本人の意思)・解任(株主総会決議)・任期満了」がございます。

 

(1)任期満了

任期は通常は、「●●年●月期終了後の定時株主総会終結時まで」となっておりますので、

任期途中でのケースですと「本人からの辞任」もしくは「株主総会決議による解任」の手続きとなります。

 

(2)解任

辞任届の徴取が難しい場合は、解任の手続きに拠らざるを得ません。

取締役の解任は、株主総会決議によって行い(会社法339条1項、341条)、解任決議によって、取締役の地位自体は確定的に失われます。

→「登記にあたっては、辞任届にかえて「株主総会議事録」が必要になります。

ただし、解任された取締役は、「正当な理由」がないとして損害賠償請求(残存任期の報酬等の請求)を請求することが可能とされており(会社法339条2項)、紛議を生じる可能性が高く、慎重な判断が必要です。

*なお、取締役の地位を失った場合は、自動的に代表取締役の地位についても資格喪失により退任することになりますので、この場合取締役会での決議は不要です。

 

3.代表取締役の地位のみの退任

ちなみに、会社法の制度上は、「取締役」の地位は有しつつ「代表取締役の地位」のみを失う、ということも可能です。

本人の辞任、もしくは、取締役会決議によって解職決議することとなります(会社法362条2項3号)。

→登記にあたっては、「取締役会議事録」が必要になります。

ただし、解職決議の場合、こちらも紛議が生じる可能性が高く、慎重な判断が必要です。

 

子会社の役員の問題は、労働問題、会社法の諸手続きにまたがる複雑な問題です。

このテーマに精通した当事務所にまずはご相談ください。